TIPについて -2023年最新情報-

今回は、面倒に思ってしまうアメリカ滞在中の「チップ(TIP)」についてお話ししておきます。実際どんな時に払うべきなの?相場はいくらなの?どんな場面でチップを払うの?と言ったアメリカのチップに関する素朴な疑問にお答えします。渡米前の準備に、ぜひお役立てください。
なぜアメリカではチップ制度があるの?
日本では、ホテルの料金やレストランの食事代には、あらかじめサービス料が含まれています。その為、精算の時に自動的にサービス料を支払っている事になります。しかし、アメリカのレストランや、ホテルの料金にはサービス料が加算されていないのです。日本のやり方と違って、アメリカのサービス料は強制的に取られるのではなく、利用するお客が金額を決めて、チップとして渡します。日本には無いチップ文化なので、チップ文化のない日本人からすると、自分で金額を決める任意で支払うサービス料を強制的に上乗せされているという誤解が強くなってしまいがちです。
しかし、ウェイター/ウェイトレスをはじめ、サービス業で働く人達は「チップがもらえる」という想定の元で給料の最低賃金設定を低く設定されているのです。そういった事から、サービス業で働いている方には、チップ(サービス料)を支払う事が大前提であり、アメリリカでのマナーです。
もしも、チップを支払ってもらえなかった時は、従業員の方々の収入を左右する死活問題にまでなってしまうのです。気持ちよくサービスをしてもらった時には、チップはきちんと払いましょう。
「愛想がいい」「ノリがいい」サーバーーなど、チップだけでかなりの金額を稼ぐ方もいます。アメリカのサービス業はの質は、チップ制度があるから成り立っているといっても過言ではないでしょう。才能次第で高みを狙えるのはアメリカならではといった感じですね。アメリカの深いチップ文化ですね。
【レストラン】チップの相場
普通のレストランでは、合計金額に対して18%〜20%をチップとして払うのが、チップのマナーとされています。たまに、「10%や15%とかでもいい!」と聞いた事がありますが、相場の20%よりも低い額を払ってしまうと、お店側から「サービスの中、何か気に入らない事があったのか?」「料理を気に入ってもらえなかったのか?」など疑問に思われます。基本は20%で、そこから特別にアービスが良かった場合はプラス、悪かった場合はマイナスします。もしサービスが悪かった場合(注文の品が来なかった。オーダーに大きなミスがあったなど)は、担当者かマネージャーに直接「こういう理由でチップは低いです。」「今日はチップを払わない。」などの説明をします。うっかり払い忘れてしまうと、「チップを払ってください。」とお店を出る際に声をかけられ事もあります。
高級なレストランやホテル内の優雅なレストランなど、「サービスがいい」「演出がとても豪華」は20%よりも多くチップを弾む場合が多いです。目安は23%〜30%でしょう。Beverly Hills エリアなどのレストランは、このクラスになるでしょう。コートやジャケットなどを預かってもらう際は、1点につき$1から$2を、食事を終え持ってきてくれた人に現金で手渡しします。
食べ放題など、自分で食べ物を持ってくるタイプのレストランでもやはりチップは払います。ドリンクを持ってきてくれたり、食べ終わったお皿など片付けてくれたり掃除があるので、気持ちよく食事が出来た感謝に対してです。最後のお会計のレシートにチップの金額を記入する欄があります。また、テーブルにキャッシュを置いて店を出る事もできます。この場合のチップ相場は10%から20%です。
セルフサービスのカフェやファーストフードなどのレストランでは、チップは払う必要はありません。例えば、番号を呼ばれて、自分の食べ物を取りに行って座るなどと言ったファーストフードのレストランや、フードコートなどはチップ不要です。お店によってはお会計の際にタッチパネルなどで「チップを払いますか?」とメッセージが現れて推薦金額まで出てくることがありますが、これは義務ではないので、「No, thank you」を選んでチップ0でも問題はありません。
ウエイター/ウエイトレスには、「担当するテーブルが決められています!」 最初に、挨拶をして注文をとりに来るウエイター/ウエイトレスが、テーブルの担当者です。その為、追加の注文やお水やお酒などの飲み物の注文など、お会計まで何かお願いしたい事があれば、担当者に頼みます。担当者以外に声がけしても、注文を聞いてくれることは、まずないと思っておいた方がいいです。
お会計をする際のチップの払い方
食事の会計をクレジットカードで支払う場合、一緒にチップもカード払いができます。食事代はカード、チップは現金と、別々に支払うこともできます。
アメリカのレストランはテーブル会計が基本です。食事が終わったら、「Check please」とテーブル担当のウエイター/ウエイトレスにお会計をしたい事を告げます。次にレシートを2枚チェックブックに挟んで、担当ウエイター/ウエイトレスがテーブルへ持ってきます。
渡される伝票は、一見レシートの様に見えますが同じものが2枚あります。お店の控えとお客様控えの2枚です。お客様控えの方は、自分の控えになるので持ち帰ります。
記載内容を見ると食事の合計額の下に
(1)チップ(Tip)を記入する欄
(2)合計金額を記入する欄
があります。
クレジットカードでチップも払う場合、
(1)Tip欄に、食事の合計額の18%〜20%に値する額を計算して記入します。
(2)合計金額欄には、食事の合計額と自分で記入したチップ額をたした合計金額を記入します。
例えば、食事の合計額が$80で、20%のチップを置く場合は$80x0.2で$16となるので、
(1)Tipの欄に書く金額は$16
(2)最終合計欄に書くのは、$85と$16をたして、$96になります。
18%、20%、23%の場合の、チップ金額が伝票に印刷されている場合もあるので、計算機で計算しなくても参考にできます。
食事代はクレジットカードで払うけれど、チップは現金で払う場合は、
(1)Tip欄は$0と記載します。
(2)最終合計欄は食事の合計額と同じ金額を記入し、
現金でテーブルに20%相当額の現金を置いて店を出ます。
現金で全てを支払う場合、
(1)Tip欄にも、合計金額欄にも何も記入しません。
(2)チップ額とたした合計金額分の現金をチェックブックに挟んでお店を出ます。
注意してください! レシートに記入する際、必ず数字の頭には$を記入。ドルマークからセントまで記載してください。 (例)記入金額が$15と記載したい場合、$15.00と記載してください。 後から、数字の前に1と記載されれば、115 になってしまうし、数字の後ろに0と記載されてしまえば150にあなってしまいます。後から面倒な事にならない為にも、ドルマークとセントまでは記載する様にしてください。
英語では「Tip」のほか、「Service Charge」「Gratuity」とも呼ばれます。お会計の時のレシートに「Service Charge」「Gratuity」と記載されている場合は、チップが含まれているお店なので、それ以上のチップを支払わなくても大丈夫です。
ホテルでチップを渡す方法
アメリカ旅行で知っておきたい、ホテルでのチップの払い方です。
部屋まで荷物を運んでもらったり、ルームサービスを運んで来てもらったり、クロークルームにコートや手荷物を預かってもらった時など、ホテル内でサービスを受けたときに直接スタッフにチップを現金で渡します。
クロークルームには1点につき$1〜$3と言われています。例えばコートとバッグを預けるなら、合計$2〜$6になります。チップを支払うタイミングは、預けた物を受け取った時に支払います。
ドアマンには、タクシーを電話で呼んでもらった時などに1回につき$2程度。ホテル周りに待機してくれているタクシーを呼んで案内された時など、私の場合はドアマンへのチップは払っていません。。。
ホテルで荷物を部屋まで持って来てくれるベルマンには、荷物(スーツケース)1つにつき$3〜$5が相場です。特に重い荷物の場合は1個につき$5などが妥当かと思います。
旅行のガイドブックなどには、枕元に現金を置くのがマナーと書かれていることが多く、旅行慣れしている方にはよく知られていると思います。しかしながら、全体的には意外と枕元に現金を置くアメリカ人は少ないようです。これにはホテルの種類が大きく関係します。
モーテルの場合は、基本的にチップを置く必要がないとされています。
ホテルの場合はチップを置く必要があって、宿泊者(使ったベッドの数)1人につきチップ$3~$5ほどを現金で、「これはハウスキーピングの方のために」とメモを添えて置くのがマナーのようです。英語だと ”This is for housekeeping.” と書けば大丈夫。このメモ書きがなければ、受け取って行かないハウスキーピングの方が増えてます。変に持って行って「$5程度で泥棒!」扱いされるととんでもないですもんね。
寝具や絨毯に飲み物などをこぼしてしまったなど、滞在者側のトラブルがあった場合はハウスキーピングの方へチップを弾むのがマナーとされています。
高級ホテルの場合は宿泊者1人当たり$5前後のチップを、こちらも”This is for housekeeping.” とメモを添えましょう。高級ホテルの場合、Covid-19以降、さらにハウスキーピングの内容は大変になっていることもあり、ホテル利用客の多くの人が「以前よりチップを弾むべきではないか」と考えているようです。
その他チップが必要とされるサービス業
タクシー
タクシーの場合は到着時に料金の20%をチップとして支払います。現金で払う場合、ちょうどの額がない場合は、「お釣りは$〇〇返してください。」”Can I have 〇〇 dollars for the change, please.” と言って渡します。そうしないと、渡したお金を全部もらっていいのかと思うドライバーがほとんどです。
バレー(バレット)パーキング
ホテルや病院、ショッピングモール、レストランなどでは、バレーパーキングと呼ばれるサービスがあります。駐車場に停める際に、お店の前で係員に車のキーを渡して自分に代わって駐車場に入れてもらうサービスです。この際も係員にチップを払うようにします。チップを支払うタイミングは、まずお店を出る際、駐車場料金が必要な場合は料金を支払います。次に車を持ってきてくれた係員に直接現金でチップを支払います。相場は$2〜$5です。
ツアーのガイド
観光の際には現地のツアーガイドやドライバーに渡しますが、20%〜30%が目安です。またあらかじめ、$20/$50/$80/それ以上と料金で決めているツアーもある様です。
スパ・エステ・ネイルサロン
美容系やリラクゼーション系の施設でも、担当してくれたスタッフにチップを支払います。美容系のサロンなど目安は20%です。一般のマッサージ店に関しては、利用料が安い為、一回のマッサージで約$10〜$20のチップを置く場合が多いです。
まとめ
アメリカ旅行でチップは欠かせません。
レストランのグレード/ホテル/タクシーなど、場面によってチップの金額は異な理ますが、基本相場など本文を参考に相場額のチップを渡してください。アメリカ滞在時は、1ドル札、$5ドル札を多めに用意しておいた方がいいですね。また、小銭でチップを支払う行為は、相手を侮辱しているかの様に受け止められる事もあるので、あまりしない方がいいと思います。
コロナ感染(COVID19)以降チップの通常相場は、以前15%以上という時代は通り過ぎ、今では最低18%以上に値上がっています。みなさん、チップは礼儀として恥ずかしくない様、振る舞ってくださいね。
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